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ケイズハウス 契約選手イッチーの海外での保険なし治療!海外の歯医者さん訪問記

海外

こんにちは!

ケイズハウス所属テニス選手のイッチーこと市川誠一郎です!

突然ですが、僕はヨーロッパを中心に各地を転戦しながら選手活動していますが、税金や保険などの節約のため既に日本に住民票はありません。
そのため日本の国民保険もありませんし、経済的にも余裕がないため、旅行保険などにも一切加入していません。

つまり、僕は世界のどこでも医療で保険適用が受けられない医療難民なのです。
いつもリスキーなところをすり抜けてサバイバルしております笑

僕は元々殆ど病院に行くことがなく、日本を離れてからも病気や怪我で病院に行くことは殆どなかったので、
まあ多分なんとかなるさ、と思っていますが、
それはまさに痛い目を見る人の典型的なパターン笑

日本を離れて2年半、確かに病院には殆ど行くことはなかったですが、
唯一病院に行かざる得なかったのは歯医者です。

今回はそんな僕が海外で訪れた歯医者さんでの珍体験について紹介していきます!

 

1、 破産する!保険なしオランダの歯医者

僕はオランダで2年間の居住ビザを取得しています。
ビザ取得の際、オランダでは保険加入は義務ではあるものの、オランダは国民健康保険のようなシステムではなく民間の保険を選んで加入する形式で、
安い保険を選べば歯医者などは適用外で、実費負担になります。

ウェブサイトで保険を選んで自分で加入します↓

 

以前は歯医者にも殆どかかったことはなかったのですが、
競技を始めてしばらくした時から急に虫歯が増えました。
逆流性食道炎が原因で歯軋りをしていることが虫歯を増やしているようです。

オランダに住んでいた時、急に歯が痛くなってきて眠れないほどになってしまいました。
日常生活もままならないほどです。

オランダでは歯医者は実費負担ですが、あまりに痛いので
大家さんに紹介してもらった歯医者に行ってみることに。

まず診てもらって、症状を確認すると、
神経を取る治療が必要で、治療費は8万円以上…!!!

一回の治療で8万円…
今後の海外生活に大きな打撃になる出費です。
頭真っ白…!!

これまで海外で治療も受けたこともなく、
そんな法外な治療費を宣告された時には治療のために一時帰国することも考えました。

ですがオランダは技術に関してはヨーロッパでも最先端の国の一つ。
医療の質は問題ないはずで、時間的な制約もあり、背に腹は変えられない。
オランダで治療することにしました。

紹介してもらったお医者さんは黒人の女医さん、
人種差別をするつもりは全くないのですが、ただでさえ日本以外で治療を受けるのが大分不安なのに、
不素直にいえば黒人のお医者さんと聞いて更に不安になりました。
が、そんなことは杞憂でした。

高額な治療費以外、治療は全く問題なく、
むしろ日本以上に信頼できる治療だったと思います。

歯科助手はおらず、医師一人での治療でしたが、
最初に口の中にパーテーション?と言うような仕切りを作るため、全然問題はないようでした。
ちなみに、この後に書いたどの歯医者も歯科助手はいませんでした。

有色系の人、それも女性がヨーロッパで開業しビジネスを軌道に乗せるのは、
通常のオランダ人が同じことをするより遥かにハードルが高いでしょう。
彼女は他の医師よりも更に優秀な医師だからこそ、そこまでたどり着けたのかもしれません。

と言うことで質は間違いありませんが、こちらの治療はきっちり支払った分しか見てくれません。

ついでに他の部分に虫歯があるかだけチェックしてくれない?
と聞いてみましたが、
治療して見えたところは多分ないと思うけど、他は分からない、
と言う程度で、
それ以上はお金を払わないと診てもらえないようでした。

当然のことではありますが、
医療であろうが、人助けではなく仕事でありビジネスと言う意識が前提にあるのだと思います。

勿論助けたいかもしれませんが、
お金を払わないのであれば、残念ながら診てあげることはできない、
ということです。

 

2、 ヤブ医者!?セルビアのアパート大家さんは歯医者

セルビアでも歯医者の縁がありました。
と言っても、僕自身が治療を受けたのではなく、受けたのはルームメイトだった選手。

僕が日本を離れて最初に住んだ国はセルビアでしたが、
偶然にも、セルビアで住んでいたアパートの大家さんが歯医者親子だったのです。

大家さんは僕の住んでいた部屋と、同じフロアの隣の部屋も所有していて、
そこに大家さんが住んでいましたが、
その一室が歯医者のクリニックにもなっていました。

予約が入り次第営業する感じで、予約が入らないと洋服などの倉庫になる治療室。
この写真はまだいい方でもっと荷物で埋まります笑
奥のキッチンで普通に毎日料理してその辺で食べていました。

お客さんが来るとなったら一気にお掃除して様変わり↓

こう見ると全然キレイですが、
半日前の景色を知っていたらこの医者にはかかれません。

ある時ルームメイトの選手が急に歯が痛くなり、好意で大家さんの娘が治療したのですが、
治療前より更に痛くなって夜通し全く眠れなくなり、次の日に別の歯医者に駆け込みました。

そんなこともあります。

とはいえセルビアの歯医者は一般的には評判が高いので誤解のないよう!
EU圏外で治療費も安いことから、セルビアやトルコには多くのアメリカ人などがデンタルツーリズム(海外でインプラントなどを安く行ったりすること)のためにわざわざ訪れるほど。

セルビアの歯医者は怖い、ではなく、
どこにもヤブ医者はいるし、多分医者の様子を見ればある程度は分かるので、
不安を感じたらすぐに撤退する、
その判断のアンテナを常に持っておくことが海外生活では非常に大事です。

 

3、 アフリカだからって侮るな!チュニジアの歯医者

逆に想像したより全然良かったのはアフリカの歯医者です。

よく試合に出場している北アフリカ、チュニジアで歯の詰め物が外れてしまい、
急遽歯大会の運営に紹介してもらった医者に行くことになりました。

アフリカということで、やはり医療の質に不安はあり迷いましたが、当面帰国する予定はありません。
詰め物を入れ直すだけならおそらく難しい治療ではないのでチュニジアの歯医者でも大丈夫だろうと思い、
ひとまず歯医者に行ってみることにしました。

 

ヨーロッパでの高額な治療費を請求されたこともあり、
1番の心配は治療費。
オランダの時のように緊急で痛いわけではないので、あまりに高ければ断念するつもりで向かいました。

歯医者は今回もアパートの一室。
表からは殆どわかりません。
ですが、アパートの一室に歯医者があるのは割とよくあるようです。

入ると受付があり、その奥に治療室があります。
誰も患者はいなくて、受付の姉ちゃんはyoutubeの音楽を聴いていましたが、
セルビアよりは明らかにちゃんとした雰囲気はあります。

心配だった治療費は…
なんと保険なしで30ユーロ(4000−4500円)!!
なぜか治療前に金額が決まってました笑。
多分申告なども厳しくないので、自分の裁量でやって良いのだろうと思います。
チュニジアにしては高いのかもしれませんが、日本なら保険があってその値段。
保険なしで30ユーロで治療が受けられるならこれ以上はありません。

治療を始めた時、
アジア人の歯は小さくてよく見えんわ(爆笑)、
と言われて不安がよぎりましたが、
治療器具も通常のものと変わらずキレイで、
治療そのものも治療後の経過も全く問題ありませんでした。

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説明もしっかりしていた上、歯に塗る薬なども無料でくれたり、
少なくとも、複雑な治療でない限り全く問題ないようでした。

治療費のことを考えれば、
保険がないうちは、できる限りチュニジアで歯の治療を済ませておこうと思ったほどでした。

結論

日本にもヤブ医者はいるように、
アフリカでも良い医者だっているし、
今時ある程度の医療は受けられるようです。
値段を考えれば、チュニジアの治療が最高でした。

結果的には2年半で保険がなかった大きな損失はオランダでの差し引き6万円程度。
一回の治療費に顔面蒼白になったとは言え、保険代は1年間で20−30万円はかかると思えば、
無保険の方が遥かに安く上がっているとは言えます。
日本に帰って申請しないと代金は返ってきませんが、僕は日本に帰るのは何年後なるかも分からないのも大きな問題です。

勿論、万が一大きな問題が起きた時の大きなリスクは常にあるので、あくまで自己責任ですが、
極貧放浪プロアスリートのリアルな珍体験として楽しんでくださればと思います!