白馬で歴史散策、塩の道を歩いてみよう
白馬にも歴史があり交通手段のない時代から人は生活をしていました。今回紹介する白馬村の塩の道は約18.5km、落倉自然園から佐野坂までのエリアの千国街道と呼ばれている塩の道です。江戸時代に人の生活に欠かすことができない塩を日本海の糸魚川から安曇野を経由して松本、塩尻まで運んでいた道のことを言います。全長は約120㎞、すべてを歩くと1週間くらいの日程になります。
ちなみに塩尻の地名は塩の道の終着地からきているということです。
落倉自然園
白馬村と小谷村の境にある落倉高原にある自然園。水芭蕉の群生地でザゼンソウなども見ることができるので自然園を散策してから塩の道を歩くのも良いですね。標高が高い場所にあるのでこちらから白馬村中心部へ向かう場合は下りになり歩くのが楽です。最初は車道を歩きますが少し行くと塩の道の林道に入り、おかるの穴まで下ります。その後はまた車道を歩いて切久保方面に向かいます。落倉自然園は冬にはスノーシューも楽しめます。
切久保・新田エリア
昔の宿場町の名残を感じることができるエリアになります。道路沿いを流れる水路の雰囲気も良く古民家を改装した宿やレストランなどが増えてきており海外からの旅行者にも人気が出てきています。
八方エリア
白馬駅から近い薬師堂石仏群には無料の足湯があり一息つくのに最適です(トイレはありません)。また白馬村の中心エリアになるのでランチやカフェで休憩もできます。アウトドアショップも多く集まっているのでちょっとした観光やショッピングも楽しめます。
飯森エリア
のどかな田園風景の広がるエリアの中に水の神様が祭られている飯森神社があり、一夜山の麓には樹齢500年を超える杉の大木が見事な長谷寺があります。そして途中にある白馬オリンピック大橋からは北アルプスの雄大な景色を見ることができます。
神城・沢渡エリア
このエリアを歩くと多くの道祖神や庚申塚を見ることができます。神城エリアには道の駅白馬があり、休憩したり白馬の特産品を買うことができます。沢渡には杉林、沢渡神明宮や村の天然記念物に指定されている桜が有名な貞林寺があります。
佐野坂・姫川源流
佐野坂は白馬村と大町市の境の佐野坂には美しい杉林があり、鬼が爪を立てた跡が残ると伝えられている鬼石もあります。また南北の分水嶺となっており、植物相も日本海型と太平洋側型がここで合する珍しい場所になるので、両方の植物を探してみるのも面白いかもしれません。ただ、佐野坂の林道に入るには踏切を渡り佐野坂スキー場を線路沿いに少し歩きます。わかりにくいので入り口を見落とさないようにしてください。
また、佐野坂スキー場の国道の反対側には姫川源流と親海湿原があります。名前の通り日本海へ流れる姫川の源流となっており、親海湿原と共に遊歩道が整備されているのでとても歩きやすくたくさんの植物を見ながらの自然散策にピッタリです。
白馬村以外の塩の道も楽しんでください
白馬を拠点にして隣の小谷村や大町市に向かう塩の道を歩くこともできます。白馬駅や信濃森上駅から南小谷駅までの塩の道のルートは昔の街道の名残が一番残っていて、歴史を感じながら歩くことができます。そして神城駅か南神城駅からスタートして大町市に向かう場合は美しい仁科三湖を横に見ながら塩の道博物館まで歩いて、塩の道博物館で歩いてきた道を振り返るとさらに歴史を感じることができます(もちろん逆ルートも良いです)。
それぞれのエリアで景色や見どころもちがうので、ゆっくり時間があれば白馬村、小谷村、大町市の3つのエリアを1日ずつ分けて歩くのもおススメです。毎年ゴールデンウィークには塩の道祭りが開催されて、大町市、白馬村、小谷村の塩の道の一部を3日に分けて当時の服装を着た人たちと歩くというイベントをしています(2020年、2021年、2022年は中止)。
また別の記事で小谷村と大町市の塩の道も紹介したいと思います。
おわりに
白馬村で楽しめるのはアウトドアだけではありません。このような歴史散策などは春や秋などの観光客が多くない季節にピッタリです。春の新緑や秋の紅葉の時期は過ごしやすく地元の人たちが好きな季節でもあります。いつもとは違う視点で白馬村を訪れてみると新しい発見があり、もっと白馬が好きになりますよ。