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箱根の美術館・博物館

箱根と言えば温泉、そして皆さん大涌谷や芦ノ湖からの富士山を楽しみにしていらっしゃいます。でもあいにく雨だったりしたら美術館巡りもお勧めです。そこで、箱根に数ある美術館、博物館の中から、現地スタッフお勧めの穴場な?4カ所をご紹介します。

岡田美術館

出典:岡田美術館

小涌園の向かいにある岡田美術館では、まず大きな風神・雷神の壁画に圧倒されます。ですが、館内を巡り始めると、豊富な収蔵品の素晴らしさにもっと驚くことでしょう。まずは、日本人の美意識に深く息づく景徳鎮などの中国磁器の逸品、そして鍋島や柿右衛門などの日本の陶磁器の名品が続きます。さらに、縄文式土器や土偶、埴輪や仏像など、ユニークな日本の彫刻文化を紹介する展示が続き、さらには源氏物語をモチーフにした絵画や工芸品、三十六歌仙図屏風、東海道五十三次等の浮世絵や近代日本画の掛け軸など、日本文化の様々なジャンルから、質の高い美術品が幅広く展示されています。

もちろん、日本の伝統美術を俯瞰すると言えば誇張ですが、外国人の方はもちろん、日本人にとっても、幅広く日本の美術・工芸を再発見し、青磁、白磁、天目茶碗など、本物の名品を間近に眺めることのできる貴重な機会となるでしょう。館内を一巡した後は、庭園を眺めつつ開化亭で食事をしたり、庭園内を歩くこともできます。実は、この庭園も秀逸です。自然の斜面に沿って立体的な視点場を持ち、雑木林風の木々と相まって、涼しげで新鮮な景色を見せてくれます。最後に、風神・雷神図を眺めつつ、足湯カフェでソフトクリームを楽しむというのも、もちろんありでしょう。

出典:岡田美術館

出典:岡田美術館

 

 

 

 

 

 

 

成川美術館

展望ラウンジから芦ノ湖と富士山の絶景を眺められる成川美術館は、元箱根ターミナル正面の高台にあります。大きな美術館でもないため、天気の良い日に芦ノ湖観光の一環で訪れるのがお勧めですが、館内ではいつも日本画の大作を集めた企画展が開催されています。煌びやかで透明感のある岩絵の具を使い、大きな画面に自由に描かれる美しい現代日本画の世界。しばし浸ってみるのはいかがでしょうか。外国の方に是非発見してほしい日本の美です。そして、スイーツが充実したティーラウンジで、ゆったりと芦ノ湖と富士山を眺めて過ごせば、きっと満ち足りた気分になれるでしょう。

出典:成川美術館公式サイト

出典:成川美術館公式サイト

 

 

 

 

 

 

 

ラリック美術館

仙石原にあるラリック美術館は、数ある箱根の美術館の中でも異色の存在ではないでしょうか。フランスのベル・エポックに活躍した工芸家ルネ・ラリックのジュエリー、ガラス工芸、ガラスを使った室内装飾のコレクションで、同じように西欧の美術品を中心に展開するポーラ美術館や彫刻の森美術館、箱根ガラスの森美術館などと比較しても少しマニアックなジャンルの美術館ですね。

ですが、ラリックの繊細で官能的なジュエリーを一目見れば、普段ジュエリーに全く興味のない人も間違いなく息をのむはずです。また、カフェや美術館を囲む森の佇まい、ミュージアム・ショップの品ぞろえも、ハイセンスな展示品に負けていません。ミュージアム・ショップは、土産というよりお洒落なプレゼントを探しに行きたい場所です。さらに、カフェの脇には、ラリックが手掛けたオリエント急行食堂車の照明用ガラスが、実物の車両ごと展示してあります。中に入るにはお茶の時間を予約する必要がありますが、興味のある方は是非!

出典:ラリック美術館

出典:ラリック美術館

出典:ラリック美術館

 

箱根町立郷土資料館

箱根湯元駅の改札を出てすぐの歩道橋を渡り、早川の橋を渡って湯元富士屋ホテル前を左に少し上った箱根町役場の前にある小さな資料館です。展示物にあまり英語の解説がないのが玉に瑕ですが、箱根の古い写真や古い道具、古来から江戸時代までの温泉や宿場町の様子、箱根の名前の由来など、興味深い内容が多数あります。少しネタバレになりますが、古い写真には箱根にも谷筋に多くの棚田があった様子が写っていて、現代の鬱蒼と森に覆われた箱根とは違う景色に驚きます。また、ロシア土産のマトリョーシカは、箱根の七福神人形をモデルに作られた…なども面白くないですか?箱根のトリビアに詳しくなる資料館。ロマンスカーの待ち時間にでもいかがでしょう。

出典:箱根町立郷土資料館