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チュニジア世界遺産スースの旧市街

海外

こんにちは!ケーズハウス所属テニス選手の市川誠一郎です。

僕はヨーロッパ周辺の国を放浪しながら転戦していますが、
その中で一番滞在時間が長いのがチュニジアという国です。

チュニジアと聞いてもどんな国かピンとこない方が殆どかもしれません。
僕もまさか自分が人生でこんなに長くチュニジアに滞在することになるとは思いもしませんでした。
そもそもテニスがなければ訪れることも絶対なかっただろう国です。

今回はそんな僕にとって運命の国になったチュニジアのことを書いて行きます。

 

なぜか国際下部ツアーが毎週開催されるチュニジア

チュニジアは北アフリカの国の一つ。
隣り合うモロッコ、アルジェリアで似たような文化圏になっています。

地中海を挟んでヨーロッパの対岸にあり、距離にするとヨーロッパからとても近いです。
イタリアのほぼ真南にあり、南イタリアからはフェリーでも行けるほど。
南仏ニースからのフライトならたった1時間ほどでチュニジアに到着します。
ヨーロッパから本当に近いことがわかってもらえると思います。

そんなチュニジアでは何の偶然か、国際下部ツアー大会が毎週行われており、僕は」この大会に出場するためにチュニジアに長期滞在しています。
テニスの国際ツアー大会は一週間単位で開催されるものですが、通常は毎週別の場所で行われるため、毎週別の国に移動しなくてはなりません。
ですが、世界でほんの数ヶ所だけ毎週同じ場所で大会が行われる場所があり、その一つがチュニジアにあるのです。

大会があるのはモナスティルという街。
首都チュニスから南へ車で2時間ほど行った海沿いの街です。
ヨーロッパ人のバカンス先にもなる街です。

ムスリムとフランスの文化圏

チュニジアは基本的にイスラム教文化圏です。
街にいると昼頃は祈りの放送が鳴り響きます。

敬虔なムスリムの国では毎日何回も決まった時間に祈っている人を目にしますが、
チュニジアでは街中に祈っている人は殆どおらず、そこまで敬虔なムスリムという感じではありません。

布を纏った女性の姿は勿論あちこちで見かけますが、
あとは日常的には豚肉を見かけないくらいでお酒を飲んでいる人もいるし、割とカジュアルな印象です。

肌の色も真っ黒のアフリカ人ではなく、中東系の人達になります。

 

文化的には…決して勤勉ではなく、きちんと働く人は殆どいません笑
一年以上いても、何かがきっちり行われたことは殆どないと言っていいです。
日本に比べれば海外はどこでもそういうものですが、
ヨーロッパとも比べ物にならない程、何事もテキトー、言い訳ばかりなので、最初から何かを期待してはいけません。

チュニジアではイスラム教の文化と同時に元植民地のフランスの文化も強く残っています。
フランス語は殆どどこでも使えますし、選手が滞在するホテルの朝食などはクロワッサンやクレープなどフランスの食事が出てきます。

スースの旧市街に行ってきた

大会会場のモナスティルから車で30分もかからないところにスースという大きな街があり、この旧市街は世界遺産になっています。

僕はチュニジアに合計一年以上滞在していますが、大会会場では毎日練習漬けの暮らしで、全く街を歩いたり観光に行ったことがありませんでした。
が、先輩日本人プロがチュニジア遠征に来られて、その方に誘われてついに先日スースの旧市街を訪れてきました。

まずはタクシーでスース旧市街に向かいます。

途中のチュニジアの風景はこんな感じ。
特に危険な感じはしませんが、何もありません。

結構ゴミも散乱しています。

旧市街目の前のエリアに到着しました。すでにかなり賑やかです。
目の前は既に旧市街の壁が見えています。
旧市街は基本的にこの壁で囲まれているので、どこからどこまでが旧市街かはっきり分かります。

 

旧市街は観光地化していて、メインストリートは所狭しと露店が並んでいます

まずは旧市街の中心的な建造物であるリバートに行きます。
基本的にどの街の旧市街にもリバートはあるようで、大会会場のモナスティルの街の旧市街にもリバートはあります。

これは修道院に当たる場所ですが要塞の機能も兼ねた場所だったようで、高い壁に、物見櫓みたいな高い塔が備えられています。
修道院と要塞が同じ場所っていうのも不思議ですね。

リバートの入り口。細く高い入り口を入ると

中は壁に囲まれていますが何もなく、何も中庭が広がっています。
囲っている壁が分厚く、その壁の中に小部屋がたくさんあります。

小さな小部屋一つ一つが修道院の僧侶たちの部屋だったようです。

壁沿いの階段を登ると

猫が休んでいました

2階の壁の中は広いエリアになっています。
かなり涼しく、素敵な雰囲気です。

チュニジアの画家の絵が飾られていました。

更に最上階に繋がる急な階段を登っていきます

1番上に登ると中庭が見渡せます。
本当に壁だけで、中には何にもない建造物なのです。

さて、この最上階に、塔の入り口があります。
この塔、写真の印象より相当細く高いです。

この塔の1番上まで登っていくことができます。
ものすごく狭くて、真っ暗です。

 

中の階段を登り切ると..塔の一番上の展望台に出ました。
すごく細い塔なので、1番上は更に狭く、階段の出口の周りを幅50cmくらいの通路があるだけ。
外周の壁もかなり低いので落ちそう!

旧市街には高い建造物は一切ないので見晴らしが素晴らしく、旧市街からスースの街を一望できました。

 

ただ高所恐怖症の僕はかなり怖かったです!腰が引けてまともに立っていられず!笑
塔の細さと狭さ、外周の壁が低くすぐに落ちそうなのが怖さを倍増させています。

 

リバートのすぐ脇にはグランドモスクというやはり重要な建造物があります。
こちらは開館時間が非常に短くちょっとしか見れず。

さてここから旧市街をテキトーに歩いて行きます。リバートから丘の上の方に別の大きな建造物が見えたので、その方向に歩いていくことに。

スースの旧市街は緩やかな斜面にあり、そこを登って行きます。

チュニジアの街並みで印象的なのは家のドアの装飾がとても美しいこと

 

ドアの模様がお土産になっているほどです笑

地中海地域っぽい青や白を基調にした建物に加えて、イスラムの雰囲気も加えた壁のデザインも美しいです。

 

すごい年季の入った超小型原付バイクもインパクトがあります。
チュニジアの街では、13、14歳くらいの子供たちが3人乗りしているのも何度か見かけたことがあります。

 

原付の他にはリヤカーも

さて、丘の上まで歩き切りました!

丘の上にあった建造物は博物館のようです。すごく立派な建物でした。外側には砲台の跡が残っています。

 

再び海に向かって下って行きます。
帰りはお店が沢山立ち並ぶ道を歩いて降りました。

  

北アフリカのお店といえば、やはりカラフルな香辛料のお店!
エキゾチックな雰囲気満点です。

 

 

そして、チュニジアといえば、あちこちに生えているデーツの実。
大半の木がデーツなんじゃないか、と思うほどチュニジアはデーツの木だらけです。
日本では馴染みの薄い食べ物かもしれませんが、非常に栄養価の高い木の実として、最近はスーパーフード的な扱いを受けることもあります。

ドライフルーツのような感じで日持ちもとても良く、ヨーロッパのテニス選手達の中には、練習中の栄養補給にとして携帯している選手もいます。
味は干し柿?黒糖?みたいな濃厚な甘さが特徴です。

 

エキゾチックなエリアといえば、革製品は鉄板

 

 

そして、チュニジアの伝統的な食べ物も見かけます。

 

こちらはチュニジアのストリートフード

 

もちろん、偽物ブランドショップも沢山立ち並んでいます笑
誰もお客さんは入ってませんが、どうやって生計を立てているのか心配になります。

さて、海辺まで戻ってきました。クルーズ船が並んでいます

最後はチュニジア料理屋さんでご飯を食べて帰りました。
北アフリカの料理といえばクスクス。ホテルでも食べることが出来ますが、より本格的なクスクスをいただくことが出来ました。

 

チュニジアは観光地としては殆ど知られていないかもしれませんが、他にもジェルバという美しい街並みで有名な島もあります。
南仏やイタリアからは飛行機で1時間ちょっとで来れてしまうチュニジア。
ヨーロッパに来た際、エキゾチックな文化も見てみたい方は足を伸ばしてみてください。

著者:市川誠一郎

開成東大卒からフリーターになり25歳初心者でテニスを始めたプロテニス選手。

2020年より日本を離れオランダで長期ビザ取得。
ヨーロッパを拠点に生活、海外ツアー転戦。
2023年39歳で初めて世界ランキング獲得。

テレビ朝日「激レアさんを連れてきました」出演
文春オンライン、日刊スポーツなどメディア多数掲載

大学在学時はヒッチハイク野宿で世界放浪、
K’s house Tokyoでアルバイト

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Amebaトップブロガー「夢中に生きる」
https://ameblo.jp/ichigrandslam/