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金沢でお抹茶を飲もう!加賀藩の茶道文化に触れる美しい和の空間6選

金沢-土地文化に触れる

金沢でお抹茶を飲もう!加賀藩の茶道文化に触れる美しい和の空間6選

 

茶道を習っている人は別として普段なかなか飲む機会がないお抹茶ですが、あなたは好きですか?実は金沢は茶道がさかんな土地柄なのですが、なぜでしょう?

金沢では、中心部のちょっとしたカフェでもお抹茶を飲めるところがありますが、せっかくなら和の雰囲気も一緒に楽しめる素敵な場所を紹介します。

金沢観光で着物をレンタルする日にはぜひ訪れてみてください。おいしいお抹茶をいただけるだけでなく、姫気分で素敵な空間をバックに写真が撮れますよ。

金沢で茶道がさかんな理由とは?

のちに加賀藩初代藩主となる前田利家と利長の親子は、戦国時代に茶の湯を大成した千利休から茶の湯を学びました。時代はくだって江戸時代初期、加賀藩三代藩主の前田利常の時代に、利休のひ孫にあたる仙叟宗室が加賀藩に招かれ、茶の湯の指南役として仕えました。

その後代々の藩主も茶の湯を奨励したことから、この地では茶の湯がさかんになったということです。現在でも、石川県の茶道をたしなむ人の割合は3.1%で全国1位とのこと。(2016年調査データ「令和2年(2020)版 石川100の指標」より)また、金沢のお菓子が美味しいのも、昔から茶道がさかんな土地柄なためと言われています。金沢では茶の湯文化が根づいているのですね。

金沢でお抹茶を飲む際に

お菓子

お抹茶に添えられるお菓子には大きく2種類あり、この後紹介する場所でも、どちらか選べる場合があります。和菓子は洋菓子と違ってその時々の季節を表していることも魅力です。

「上生菓子」と呼ばれることも多い柔らかいお菓子

©石川県観光連盟

「お干菓子」と呼ばれる、落雁のようなさくさくとしたお菓子

©石川県観光連盟

和菓子はとても甘いイメージがあり、私も数年前に茶道を習い始めるまでは食べる機会もほとんどなく、どちらかというと苦手でしたが、金沢のお菓子は全体的に甘さ控えめで上品な味です。「落雁なんて砂糖の塊でしょ」と思っていたのですが、こちらもおとなしい甘さです。

和菓子が苦手という人にこそ、ぜひ金沢の和菓子を味わってみてほしい。お菓子が気に入った場合は、どちらのお店のものか聞いてみてください。老舗の和菓子屋さんのものでも、駅などで手頃な値段で買うことができ、良いお土産になりますよ。

お茶碗とうつわ

お抹茶のお茶碗にも注目してみましょう。もし飴色の釉薬がかかった写真のようなお茶碗の場合、きっと金沢の窯元「大樋焼」のお茶碗です。目で見て、手に取って、口につけて感じてみてください。

茶道体験もできる、西田家庭園「玉泉園」の公式サイトより

またお菓子は懐紙に乗せられて出される場合もあれば、写真のようにお皿で出されることもあるかもしれません。こちらは石川県の伝統工芸品「九谷焼」で、加賀五彩とよばれる赤・黄・緑・紫・紺青の5色で色付けされていることが特徴です。お抹茶をいただく際には、うつわにも目を留めてみてくださいね。

お抹茶が飲めるおすすめの和の空間

お茶処・金沢ではちょっとしたカフェにもお抹茶と甘味のメニューがあったり、老舗の和菓子屋さんが素敵な喫茶スペースを設けていたりもします。それらも良いのですが、せっかく金沢に来る機会には、美しい和の空間でおいしいお抹茶と和菓子をいただいてみませんか?

志摩 -ひがし茶屋街にある重要文化財の茶屋跡

金沢観光で外せないスポットひがし茶屋街では、ぜひ「志摩」を訪れてみてください。志摩は江戸時代に建てられ、芸妓が様々な芸で客をもてなしたお茶屋跡で、国指定の重要文化財です。木造の茶屋建築の美しさや、金沢特有のお座敷のベンガラ色の壁などが見どころです。

この志摩の奥に来館者専用のお抹茶をいただける茶寮があります。箱庭に面した掘りごたつ式のカウンタースペースのみですが、美しい空間でお抹茶をいただくと気分が上がります。

志摩の茶寮「寒村庵」 (C) K’s House

営業時間:9時~18時(12月から2月:9時~17時)
入館料:500円
抹茶と上生菓子::700円
抹茶と干菓子:500円

公式サイト:志摩

時雨亭 -兼六園にあるお茶室

日本三名園の一つ兼六園も金沢旅行の必見スポットですが、兼六園の中にもいくつかお抹茶をいただける場所があります。中でも私のおすすめはこの「時雨亭」。2000年に復元されたお茶室なので、建物自体は比較的新しいものですが、大名庭園を眺めながらお抹茶をいただくのは優雅ですね。

こちらでは、お茶やお菓子を出してくださる方々がみなさん着物姿です。お菓子やお茶碗、掛け軸など丁寧に説明してくださるので、ちょっとしたお茶会にでかけた気分になれるかもしれません。

写真:公式サイトより

日によって通されるお茶室が違うのですが、私は右手のお茶室からの眺めが好きです。 (C)K’s House

利用時間:9時~12時、13時~16時半(最終受付16時)
※イベントで茶室が貸し出されている場合は利用できません
兼六園入園料:320円
抹茶とオリジナル上生菓子:720円
煎茶と干菓子:310円

公式サイト:時雨亭

武家屋敷跡 野村家

貴族文化が育った京都に対して、城下町金沢は武家文化。武家屋敷の界隈も金沢の見どころです。土塀や石畳が続く道を歩くだけでなく、和風建築や庭好きな人にぜひとも訪れてほしいのがこの野村家です。

畳の間から広い縁側とその先に続く庭は、一体となって自然を感じられる本当に趣のある空間です。庭には、外の用水路から水を引き入れた池があり、小さいながらも美しい。2階には庭を見下ろす数寄屋造りの茶室があり、お抹茶とお干菓子をいただくことができます。

Photo credit : Kanazawa City

開館時間: 4月~9月:8時半~17時半、10月~3月:8時半~16時半
入場料:500円
抹茶と干菓子:300円

公式サイト:武家屋敷跡 野村家

大樋美術館ギャラリー

千利休のひ孫にあたる仙叟宗室が加賀藩に招かれた際に、京都の窯元 楽家の高弟であった長左衛門が同行しました。長左衛門は金沢の地に留まり代々抹茶椀を作ったことから、地名をとって大樋焼と呼ばれるようになったとのこと。ろくろを使わずに手捻りで成型することや、飴色の釉薬が特徴です。

写真提供:金沢市

ひがし茶屋街にもほど近い大樋美術館には、当代11代まで代々の大樋焼がコレクションされています。美術館の手前にはモダンなギャラリー兼ショップがあり、大樋焼のうつわを買い求めることができます。

こちらでもお抹茶をいただくことができるのですがその際、歴代の大樋焼のお茶碗の中から好きなものを選ばせてもらえます。私が伺ったときは、樹齢500年の立派な松があるお庭に面したお茶室でしたが、最近訪問した方は和モダンなスペースでの呈茶だったとのこと。

写真提供:金沢市

営業時間:9時~17時
抹茶と上生菓子:1000円(美術館入館とのセット料金:1500円)

公式サイト:大樋美術館・ギャラリー

一井庵 -料亭 大友楼 茶寮

ステンドグラスで彩られた珍しい門で知られ、前田利家を祀る尾山神社。その近くにあるのが、加賀藩のお料理所を永く勤め、金沢でも老舗の料亭として知られる大友楼です。この大友楼さんが同じ敷地に2020年春に茶寮をオープンしました。お茶室「一井庵(いっせいあん)」は、もともと加賀藩の茶道の教授所だった建物ということです。

よく手入れされたお庭とおもてなしを受けて、ゆったりとしたひとときを過ごせます。お茶碗も気に入ったものを選ばせてもらえます。上生菓子は、金沢の名店で店頭では買うことができない「吉はし」のもの。お抹茶だけでなく、夏にはかき氷、冬にはぜんざいなど、季節の甘味も楽しめます。

公式Instagram/Facebookより

営業時間:11時~16時 (水曜定休)
お抹茶と上生菓子/わらびもち/特製生チョコレート:各1,000円

公式サイト:料亭 大友楼

天野茶店 -ひがし茶屋街にある老舗茶葉店の日本茶カフェ

ひがし茶屋街の表通りから一本入った所にある老舗の茶葉屋さんです。こちらでは緑茶だけでなく、金沢でよく飲まれるほうじ茶の茶葉も取り扱っています。お店に入るとまず目に入るのが、大きな壺の数々。200年ほど前に作られたもので、お茶を運ぶために使われた茶壷だそうです。

お店の奥の暖簾をくぐると、カジュアルな日本茶カフェのスペースがあります。立派な梁がある空間がリフォームされて、こぢんまりとして落ち着く空間です。お抹茶だけでなく、加賀棒茶や煎茶、和洋の甘味まで気軽に楽しめます。

繁忙期にはひがし茶屋街のカフェは混み合うことが多いのですが、こちらは隠れ家的な日本茶カフェです。帰りに、加賀棒茶の茶葉をお土産に買うのもいいですね。

写真:公式サイトより

営業時間:8時半~18時半
選べる日本茶セット(好きな日本茶と和菓子またはスイーツ):850円~

公式サイト:天野茶店

おわりに

いかがでしたか?わたしも書いていてまた、あちこち行きたくなってしまいました!おいしいお抹茶と和菓子で和を感じる素敵なひとときをどうぞ(^^)

金沢中心部 犀川近くのゲストハウスケイズハウス金沢はこちら。