言語切り替え

庭好きドイツ人のクラインガルテン

海外

こんにちは!
ケイズハウス所属テニス選手の市川誠一郎ことイチです。

今回は今年ひと夏滞在していたドイツの様子をお届けして行きます😉

ドイツで住む場所を失い驚きの展開に

ドイツで拠点にしたワインズバーグでは色々予期せぬことが起こりました。
滞在する予定だったアパートを出なければならなくなり、
予算節約のため、
なんと電気もガスも水道もない、洗濯機も冷蔵庫もない、
水は少し濁った井戸水だけ、という森の中の小屋で生活していました…!

学生の頃は野宿ヒッチハイクで放浪していましたが、
テニス選手になった今も、根っこはケイズハウスで働いていた頃のさすらい人。
たまにスナフキンとか寅さんとか言われますが、気がつくとそこに行き着いてしまうみたいです。

ワイルドすぎる?美しい森の生活

森の中の生活なんて言うとアウトドアなどが好きな方なら一度は憧れると思いますが、
そうは言っても一時的なキャンプとは違います。

さすらっている時ならまだしも、今はテニス選手。
流石にテニスに支障が出るかと心配したのですが、
そんなことは杞憂で、始めてみれば素晴らしく美しい生活でした。

朝起きたら井戸水で洗濯し、
目の前の小さな畑に生えている変な形のトマトやきゅうり、ベリーを取って食べたら、
自転車に乗って練習に行く。

夕方練習から帰ってきたらすぐに薪で火を起こし、
蝋燭をつけて灯りを取り、
肉を焼いて食べる。

冷やしたいものがあれば井戸水をバケツに入れて日陰に置いておく。

この生活の方がむしろずっと続いたらいいのにと思う程美しい時間でした。

少し濁った井戸水が唯一の水↓

変な形のトマトはとても甘い

ナスやズッキーニ、きゅうり

カボチャ、とうもろこし…

ベリーの木もあります。

ラズベリーの季節が終わるとブラックベリーと続いていきます。

果物の木もたくさん。

りんごはそこら中にあり、プラム、桃など

去年取ったくるみの実が保存されてます

蜂蜜を作っているクラインガルテンもありました!

ちなみに趣味で蜂蜜を作っている家は他の国でもたまに見かけます。
真面目で余暇が殆どないアジア人と違い、
ヨーロッパでは余暇を本当に自由に過ごすと感じます。

その場で切り取った蜂蜜を初めていただきました。

庭好きドイツ人

ヨーロッパは小さな国が集まっていますが、国民性は国によって全然違います。

イタリアやスペインといったおおらかでフレンドリーですが超いい加減な国もあれば、ドイツはすごく整っていて便利な一方、超マジメ、堅苦しく冷たい印象もあります。

そんなドイツ人は対人でやりとりするより、おそらく自分の世界に入って行くのが好きな国民性です。

それが理由かは分かりませんが、ドイツ人は家のことなどなんでも自分でして、庭造りが大好きです。

ドイツ独自の文化クラインガルテン

庭造りが好きすぎて生まれたのがクラインガルテン(小さな庭、の意味)。

これは自宅があるのとは別の町外れの場所にある、
多くの場合は集合の、庭園用の敷地のことです。
ドイツには住宅とは別に庭のための敷地があるのです。

今回僕が滞在した場所のように森の中にあることは特殊で、
大体街外れなどの大きな敷地が区画分けされている印象です。

こちらが一般的なクラインガルテン↓

先ほどのワイルドな森とは大分印象が違います。
こちらはかなり綺麗な小屋を建てていますが、普通はもう少し簡易なプレハブが多いと思います。

この敷地内で作物を育てたりガーデニングをして美しい庭を造り、寛げる小屋を建てて、
そこで週末家族だけで落ち着いた時間を過ごすことに大きな幸せを見出しているようです。

長期の賃貸契約の形のようで、僕の聞いたところは70年で40万円程度の契約でした。
信じられない安さですね。
そのためとても人気でなかなか手に入りません。

安い代わりにクラインガルテンには法律があり、一時滞在はできるけど住んではいけなかったり、
植物、動物を育てなければいけないなどルールがあります。
例えばこちらではインコを育てていました。

住んではいけないため、トイレの設置は禁止されていたり、法律が細かいのがドイツ。
寝泊りする小屋は作っていいのに、トイレはいけないとは妙な法律ですね。
そのため集合した区画には共用トイレがあるそうです。

……..

ドイツで電車などで移動していると、車窓に小屋と小さな敷地が集まった区画を見ることがあり、僕は最初貧しいエリアなのかと思っていましたが、それがクラインガルテンなのでした。

昨今はどの国に行っても安全で便利になり、その代わりぱっと見の違いもなくなってきたように感じますが、
長く滞在すると違いが見えてきます。
放浪生活の奥深さの一つですね。